2022年11月30日

頭の中で繋げるのは難しい

明日から12月です。そろそろ来年のカレンダーを用意する時期ですね。
一般的に出回っているカレンダーは↓こんな感じです。

イラストの様に、日曜日から土曜日が横に並び、次週はその下段に並ぶという形になっていますよね。

実は、このカレンダー、発達障害を持つ子どもにはとても理解しにくいのです。

イラストの様なカレンダーの場合、4日から17日の2週間の長さを理解するには、頭の中で、10日と11日を横に繋いでいく必要があり、私たちは頭の中で無意識にそれを行っています。

しかし、発達障害の子ども達は、「想像力が乏しい」という特性を持つことから、頭の中で10日と11日を横に繋いでいくという作業とても困難になるのです。

そこでお勧めなのがこちら↓

おめめどうさんが販売されている「巻物カレンダー」です。

画像はここには載せられませんので使用例のブログを参考にしてください。

巻物カレンダーの使用例

頭の中で繋がなくても、すでに横に繋がっていますよね。巻物カレンダーという名前がついているのは、両端をくるくる丸めて使うことが可能だからです。

くるくる丸めて使えると、過ぎた日は丸めて見えなくしたり、子どもの認知によって両端を丸め見せる日を調整することが可能です。

「こんなカレンダー使わなくても普通のカレンダーで大丈夫」と思うかもしれません。そんな時は二つ並べて使用してみて、子どもがどちらに注目しているか確認するとよいかもしれません。

2022年11月29日

兼用しない(一対一対応)

 発達障害を持つ子どもは場所や物を兼用で使用することが苦手です。

「友だち、或いは、兄弟で、仲良く譲り合って使おうね。」ということはまずできません。発達障害の人の脳の傾向は白か黒なので「独占して使用する」か「全く使用しない」のどちらかの状態になってしまいます。

兄弟なら、兄弟それぞれに物(場所)を用意して名前(マーキング)を記入し、自分の物(場所)だという事がわかるようにします。

以前記事にしました「壁の模様にならないように」でカレンダーやスケジュールを兄弟での共通利用は絶対やらないように書きましたが、兄のカレンダーやスケジュールの場所、弟のカレンダーやスケジュールの場所という具合にエリアを2つ作る必要があるのです。

「兼用しない」(一対一対応)という方法は、余計な情報をなくし刺激を少なくすることで「見るだけで理解できる」という環境になります。

この一対一対応は「他の人との兼用はしない」に限らず、場所と行動でも実践できます。

お仕度する場所、着替える場所、遊ぶ場所、食べる場所等、行動と場所を一対一で紐づけしていくと、理解しやすいですし、切り替えもしやすくなります。

いえいく。会では、これらの方法を茶話会でアドバイスしたりもしています。文章だけの情報では理解しにくいと思いますので、茶話会で色々な人の話を聞かれることをお勧めします。

2022年11月28日

色々な所で目にしています

 「求められていることが見るだけで理解できるようにする」という考え方は発達障害児の支援方法の基本ですが、実は、街中色々な所でこの考え方を目にしています。

最近よく見るのは・・・↓

レジなどに並ぶとき距離が取れるように立ち位置を見るだけで理解できるようにしています。

他には・・・↓


お店などでよく見るトイレを知らせるマークですよね。初めて訪れるお店ではこのようなマークを頼りにトイレを探しますよね。これも見るだけで理解できるようになっています。

他にも・・・↓

歩行者用の信号機です。横断歩道を止まって待つのか、渡っていいのか、見るだけで理解できるようになっています。

「求められていることが見るだけで理解できるようにする」という考え方は多くの人にとっても最善なことなんですね。

2022年11月27日

おしっこはトイレでするもの

 以前、お子さんが入園前のお母さんの集まりがあり、その場で先輩ママとしてアドバイスをして欲しいということで呼ばれ、その時、トイレトレーニングのお話がでました。

私も経験がありますが、親としては幼稚園に入る前に何とかオムツを取っておきたいと焦るものですよね。

お子さんが入園前のお母さんならあるあるのお悩みです。

そこで話題になったのは、子どものオムツが取れないのは、おしっこが上手にできないからで、おしっこが上手にできるようになる為に、お風呂に入っている時に練習をしてはどうかという内容でした。

多分、お風呂なら服を濡らすことがなく広いので練習しやすいだろうと思われたのでしょう。

まぁ、合理的な考えかもしれませんが、これは間違った方法です。

子どものオムツ外しでまず必要なことは、子どもが上手におしっこができるようになることではなく、おしっこができる場所はどこなのかということを覚えることです。

いつでもどこでもおしっこができてしまうオムツは「おしっこはトイレでするもの」が繋がっていかないのです。ましてや、お風呂でさせる様になってしまっては、子どもにとって、お風呂は「体をキレイにするところ」なのか「おしっこをすることろ」なのか訳がわからなくなってしまいます(汗)

お風呂でおしっこをする練習よりも「お風呂に行く前におしっこへ行っておこうね。」と『毎回お風呂に行く前にトイレに行く』のルーティンにする方が効果がある様に思います。

2022年11月26日

言われたらできる

 「うちの子、言われたらできるのよ。」という話をされる親御さんが一定数います。そして、幼児期の親御さんからはこの後に「だから言葉はよく理解しているのよ。」と自信満々で言われる人が多いです。多分「言葉は理解しているから大丈夫」と思われているのでしょう。

はたして、本当にそうでしょうか?

『言われたらできる』は言い換えれば『言われないとできない』ということでもあり、言われないと次に何をするのかわかっていないということも考えられます。

確かに、親御さんが考えるように言葉はよく理解しているのかもしれません。

ならば『言われないとできない』では勿体ないですよね。

今は発達障害のある子どもに限らず、この「言われないとできない」という状態の子どもが多いです。要は自発性が育っていない子どもが多いということです。

『言われないとできない』は完全な指示待ちです。

幼児期から物事の流れを見える形で(スケジュールや手順書ですね。)提供し、子ども自身がそれを見ながら自発的に行うことで、親があれこれ指示しなくても、必ず、色々なことができるようになります。

『スケジュールや手順書に頼っていると大人になった時に困る』などの余計なことは考えずに、とにかく今できることを考えてみましょうよ。

幼児期からの積み重ねが花開く時が絶対きます。

経験してきた私が言うので間違いないですよ。

2022年11月25日

壁の模様にならないように

 発達障害児への代表的な支援方法として、カレンダー、スケジュールを紹介しましたが、これらのアイテムはどこか空いているスペースで適当に提供すればいいという訳ではありません。

私たちは家族や自分の予定を記入したカレンダーを家のどこに掲示していますか?

大抵の人が、自分が見やすい場所、常に家族が集まる場所、家族の誰もが目に入る場所等に掲示しているのではないでしょうか。

カレンダーとスケジュールは、お子さんが知りたいと思っている情報が詰まったものです。

なのでお子さん自身が見やすい場所での提供が必要ですよね。

ですが、見やすい位置ならどこでも良いわけではありません。

お子さんが、さわったり書き込んだりできる位置で提供して欲しいです。

さわったり、書き込んだりできないカレンダーやスケジュールは、子どもにとってはただの壁の模様になってしまいます。(汗)

お子さんが朝起きて必ず目に入れる場所や必ず通る場所で提供し、そこには、お子さんが知りたいと思っている(知って欲しい)情報のみを提供してください。ご兄弟がいる家庭は気をつけてくださいね。

兄弟での共通使用は絶対やらないようにしてくださいね。兄弟がいる場合は、それぞれ個別でカレンダーとスケジュールを提供できるエリアを作ってください。

その理由はいずれまた記事にしますね。

2022年11月24日

視覚的なアプローチ

 発達障害児には口頭ではなく視覚的なアプローチでの見通しが必要です。

視覚的なアプローチとは「求められていることを見るだけで理解できるようにする」ということで、これを支援者用語で構造化といいます。

こんな難しい言葉、覚える必要はありませんが、パーテーションで仕切ることが構造化と思っている人がいるのでそれはちょっと違うので念のため整理しておきます。

発達障害の人たちは「想像力が乏しい」という特性を持っている人が多いです。想像力が乏しいと、頭の中で情報を整理する力が弱かったり、将来おきるであろう物事を推測するのが難しかったりします。なので物事の流れを見える形にすると理解しやすく見通しが持ちやすいのです。

この物事の流れを見える形にした代表的な支援方法として・・・

  • カレンダー
  • スケジュール
  • 手順書
の3つがあります。

カレンダーは日々の流れがわかるものです。例えば、園に行く日、行かない日、習い事がある日などがわかるようにします。

スケジュールは1日の流れがわかるものです。例えば、園に行くまでの過ごし方、園での過ごし方、園から帰ってきてからの過ごし方などになります。

手順書は何かの目的を達成するまでに行う手順を表したものです。例えば、お朝の仕度や服の着替えなどの手順を示すことが多いように思います。

保育園や幼稚園に通う年中児以降のお子さんなら、この3つはマストですね。

いえいく。会では、これらの支援方法についてアドバイスをもらうことができます。写真や実物を持参されると、より細かいアドバイスをすることが可能ですよ。やり方がわからない、上手くいかないなど悩みをお持ちの方はお気軽にご利用してくださいね。

2022年11月23日

わかっていない

 いえいく。会に来られるお母さんからよく耳にするのは、子どもが・・・

  • 切り替えができない
  • 出かける前(園や学校)のお仕度ができない
  • 順番(ルール)が守れない
という内容が多いです。

今、このブログを見ている方も心当たりがあるのではないでしょうか?

これらの内容は、発達障害あるなし関係なく、幼児期のお子さんなら大抵あるようなことで、周囲の大人が適切な対応をすることで解決していけるように思います。

幼児期のお子さんは、色々な物事の経験値が低く、想像力も乏しいです。

  • 今できなければ(自分のやりたいこと)いつできるのかがわかっていない
  • 次に何をする(何がおこる)のかわかっていない(物事の流れがわかっていない)
  • そもそも今日何をする日かわかっていない(一日の予定がわかっていない)
などが考えられ、周囲の大人が当たり前と思ってることでも、子どもはわかっていないことが多いです。子どもは自身が過去に経験したことから答えを得ようとするので考えていたことと異なるとびっくりしてしまうのです。これが癇癪やパニックとなって表れているんですね。

なので、幼児期のお子さんにとって最も必要なことは、周囲の大人が見通しのある暮らしを提供することです。これは障害あるなし関係ないです。ただ、提供方法が障害の有無や度合いによって変わってきます。障害がある場合、口頭で伝えるのではなく、視覚的なアプローチが必要です。

2022年11月22日

茶話会のお知らせ

現在予定している茶話会です。 

日:12/18(日)、1/15(日)、2/19(日)

時間:午後1時~4時

場所:東海市しあわせ村 

茶話会では、いえいく。会が保有している書籍を借りていただくことも可能です。

参加方法は、いえいく。会のLINE公式アカウントより配信しています。

参加を希望される方は友だち登録をお願いします。 

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2022年11月21日

ブログ開設しました!

 東海市を拠点に発達障害児に関わる人たちの集まりを運営しています。
2012年に設立し現在10年目になりますが茶話会を中心に細々と活動を継続しています。

興味のある方は、いえいく。会のLINE公式アカウントの友だち登録お願いします。

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茶話会等の参加受付はLINE公式アカウントより行っています。